ひらがなタイムズ2025年12月号で教える|10記事の授業ガイド

ひらがなタイムズ2025年12月号は、四国と「旨味」、そして年の瀬の号です。鳥取砂丘のハロウィーン、「ガチ勢」「フキハラ」の新語、日本人ふたりのノーベル賞、大掃除、「冬来たりならば春遠からじ」、4コマ漫画「レストルーム」まで、年末の授業に使える話がそろっています。オンラインで読める10記事について、記事ごとにレベル別の活動・導入の一問・キーワード・つまずきやすい点をまとめました。
バックナンバーも、授業の生きた教材として使えます。記事のリンクから全文(一部は購読者向け)を読めます。
01 Discovering Shikoku through Flavor, Flowers, and Faith | 味・花・祈りで巡る四国の旅
- 記事:Cover Story。香港在住のイラストレーター・Angryangryが描く四国。鰹の高知、讃岐うどんの香川、八十八ヶ所巡礼と阿波踊り
- 初級:表紙を見て「お城」「うどん」「踊り」。四国の4つの県の名前を地図で覚える
- 中級:「〜で知られる」(讃岐うどんで知られる香川)で、自分の町を紹介する文を作る
- 上級:「味・花・祈り」の三つの切り口で、自分の国の一つの地方を日本語で紹介する
- 導入の一問:「あなたの国で、食べ物で有名な地方はどこですか?」
- キーワード:旨味/出汁/鰹節/讃岐うどん/巡礼/阿波踊り/風土
- 注意点:表紙は今号だけ井上文太氏ではなく、Angryangryの作品。外国人の目から見た日本という入口にもなる
02 Halloween in the Sand Dunes!? Tottori’s Unique Party | ハロウィーンは砂丘で!?鳥取のユニークなパーティー
- 記事:News Review。広々とした鳥取砂丘で、仮装した約2800人がパレード。合言葉は「トリック・オア・トットリート」
- 初級:「仮装します」「パレードします」と、ハロウィーンの仮装の名前
- 中級:「〜を目指しています」(ハロウィーンの聖地を目指しています)で、町の目標を説明する
- 上級:都市部の混雑やトラブルと、地方の広い場所を使うアイデアを比べ、自分の町のイベント案を発表する
- 導入の一問:「ハロウィーンに仮装したことはありますか?」
- キーワード:砂丘/仮装/混雑/合言葉/にぎわい/聖地
- 注意点:「トットリート」は鳥取とトリートを合わせたことば遊び。11月号の表紙(百鬼夜行とハロウィン)とつなげられる
03 “Gachizei” | ガチ勢
- 記事:New Expressions & Buzzwords。物事に全力で、真剣に取り組む人たち。対になるのは「エンジョイ勢」
- 初級:「本気です」「楽しみます」で、自分の趣味への向き合い方を言う
- 中級:「つまり、〜という気持ちを表します」で、ことばの意味を説明する
- 上級:自分は何の「ガチ勢」で、何の「エンジョイ勢」かを話し、取り組み方の違いを話し合う
- 導入の一問:「あなたが本気で取り組んでいることは何ですか?」
- キーワード:ガチ/がちんこ/真剣勝負/本気/エンジョイ勢
- 注意点:くだけた言い方。「〜勢」は「〜の人たち」というまとまりを表す
04 “Fukihara” | フキハラ
- 記事:New Expressions & Buzzwords。「不機嫌ハラスメント」の略。ため息やドアを強く閉めることも
- 初級:「機嫌がいいです」「機嫌が悪いです」を表情で
- 中級:「〜たり、〜たり」(ため息をついたり、ドアを強く閉めたり)で、行動の例を挙げる
- 上級:「〜ハラ」のことば(パワハラ・セクハラなど)が増えた日本語について、言葉にすることの意味を話し合う
- 導入の一問:「まわりの人の機嫌が悪いと、どんな気持ちになりますか?」
- キーワード:不機嫌/ハラスメント/略す/態度/不快感/威圧感
- 注意点:職場や家庭のつらい経験につながることもある。具体的な人の話にはしない
05 Two Japanese Scientists Win the 2025 Nobel Prize | 日本人科学者ふたり、2025年ノーベル賞に輝く
- 記事:Close Up Japan。免疫の“ブレーキ役”Tレグの坂口志文さん、MOFの北川進さん。イグ・ノーベル賞は19年連続
- 初級:「〜賞を受賞しました」「〜を発見しました」
- 中級:「〜ないよう〜する」(自分の体を誤って攻撃しないよう免疫を制御する)の文を作る
- 上級:黒い牛に白い縞を描いてアブを減らすイグ・ノーベル賞の研究を読み、「風変わりな発想」が役に立つ例を話し合う
- 導入の一問:「あなたの国の有名な科学者は誰ですか?」
- キーワード:受賞/発見する/免疫/制御する/ブレーキ役/開発する/累計
- 注意点:専門用語(制御性T細胞・金属有機構造体)は深入りせず、「ブレーキ役」「無数の穴」のたとえで伝える
06 Considering Prime Minister Takaichi’s “Abandoning Work-Life Balance” Statement | 高市総理の「ワーク・ライフ・バランスを捨てる」発言を考える
- 記事:Pros & Cons。発言をめぐる「覚悟が伝わる」「働きすぎの美徳化につながりかねない」と、仕事観の洞察
- 初級:(上級クラス向けの記事。初級では扱わず、中級以上で)
- 中級:賛成意見・反対意見の一文ずつを読み、「〜かねない」の形を確かめる
- 上級:「ライスワーク」「ライフワーク」「ワーク・アズ・ライフ」のことばを手がかりに、自分にとっての仕事の意味を話し合う
- 導入の一問:「あなたにとって、仕事はどんなものですか?」
- キーワード:ワーク・ライフ・バランス/覚悟/時代錯誤/長時間労働/労働観/ライフワーク
- 注意点:実在の首相の発言と、宗教ごとの労働観にふれるテーマ。先生は意見を出さず、記事の両論とことばの意味に集中する
07 Year-End Cleaning —Purifying for the New Year | 大掃除 ― 清めて迎える新しい年
- 記事:Japan Savvy。江戸時代の「煤払い」から続く大掃除。「払う」と「祓う」。記事に言葉と質問も付いている
- 初級:掃除のことば(ふく・みがく・ピカピカ)と、「〜をきれいにします」
- 中級:「払う」と「祓う」の二つの漢字を比べ、意味の違いを説明する
- 上級:「掃除とは、空間だけでなく心をも清める行い」を読み、自国の年末の習慣と比べる
- 導入の一問:「あなたの国では、大掃除をしますか?」(記事の質問から)
- キーワード:大掃除/煤払い/年神様/払う・祓う/清める/ピカピカ
- 注意点:同じ音で違う漢字(払う・祓う)は、意味の違いを絵で見せると伝わりやすい
08 Seasonal Word Leaves: “Shiwasu” | 季節の言の葉:日本の12月「師走」
- 記事:言の葉。年の瀬の慌ただしさと、雪の里、市場、お歳暮、鍋、こたつの団らん
- 初級:冬のことば(鍋・こたつ・雪)を絵カードで
- 中級:「〜もあれば、〜もあります」(静まる里もあれば、市場もあります)で、いろいろな様子を一文にする
- 上級:年の瀬の「日常の断片」を読み、自国の年末の風景を日本語で描写する
- 導入の一問:「年末は、忙しいですか?」
- キーワード:師走/年の瀬/慌ただしい/お歳暮/団らん/こたつ
- 注意点:「師走(しわす)」の特別な読み。1月号「睦月」とあわせて、月の古い名前の一覧に加える
09 Seasonal Voice-Word Art: “If winter comes, can spring be far behind?” | 季節の言技:「冬来たりならば春遠からじ」
- 記事:言技。冬が来てもやがて春が訪れるように、困難のあとには必ず好転がある
- 初級:「冬」「春」「寒い」「暖かい」。季節の順番を言う
- 中級:あやとなおき、みちことゆうとの会話を役読みし、どんな場面で使うかを確かめる
- 上級:「遠からじ」の古い言い方を読み解き、1月号「陰極まれば陽に転ずる」と比べて話す
- 導入の一問:「つらいとき、どんなことばで元気が出ますか?」
- キーワード:冬/春/来たり/遠からじ/困難/好転/芽吹き
- 注意点:つらい経験の話になりやすい。話したくない人には話させない
10 Restroom | レストルーム
- 記事:Japan Maze(迷宮ニホン)。「レストルーム」を「休む部屋」と勘違いして、保健室へ案内してしまう4コマ漫画
- 初級:「トイレはどこですか」を、はっきり言う練習
- 中級:カタカナ語と英語の意味のずれ(レストルーム・マンション・コンセントなど)を集める
- 上級:「通じない」理由を説明し、誤解をていねいに直す言い方を練習する
- 導入の一問:「日本でトイレを探したとき、どう聞きましたか?」
- キーワード:尋ねる/勘違い/通じない/我慢できない/焦る/案内する
- 注意点:笑いながら、実際に役立つ「トイレ」の言い方に必ずつなげる


