一般社団法人スーパー日本語講師会(Super-J)

一般社団法人スーパー日本語講師会(Super-J)

設立の背景

現在、ほとんどの日本語学校では、初めから日本語のみで教える「直説法」が採用されています。 この方法は英語教育でも広く用いられ、英語が国際語である以上、一定の効果を上げています。 多くの国で英語教育が義務化され、基礎的な知識があるため、英語だけで教えることに無理がないのです。

しかし、それ以外の言語ではどうでしょうか。 たとえば、中国語やアラビア語を、まったくの初学者が現地語のみで教えられたら、果たして理解できるでしょうか。 日本語においても同様であり、特に漢字文化圏以外の学習者は、早い段階で挫折してしまうケースが少なくありません。

今や、英語は国際語として世界の多くの人々が理解しているにもかかわらず、 日本では英語を使って教えられる日本語教師や学校が非常に限られています。

さらに近年では、日本語をある程度話せても、日本社会にうまく溶け込めない外国人が増えているという現実も見えてきました。 その背景には、「言葉の運用力」ばかりを重視し、「文化や価値観の共有」という視点が欠けている日本語教育の構造的な問題があります。 また、日本人自身も、自国の文化を自覚的に理解し、他国の人々に伝える機会を持つことが少ないのが実情です。

だからこそ、私たちは、日本語教育に携わる者こそが、 言語と文化の両方を意識的に伝える使命を担うべきだと考えています。

知的好奇心に応える“教養としての日本語教育”

今日、日本語学習者の層はますます多様化しています。 にもかかわらず、「子供っぽい」「幼稚すぎる」と感じられる教材が依然として多く存在します。 日本語がたどたどしいという理由だけで、学習者を子供のように扱ってしまう――。 そんな旧来の教え方では、現代の大人の学習者の知的欲求には応えられません。

いま日本語を学んでいる多くの人々は、すでに各分野で活躍するビジネスパーソン、研究者、アーティスト、専門職などの大人たちです。 彼らが求めているのは、単なる文法や語彙の習得ではなく、 自らの思考や感性を磨くための「知のツール」としての日本語です。

日本語を学ぶことは、スキルを身につけることにとどまりません。 それは、自分自身を教え、養うこと――すなわち「教養を身につける」行為でもあります。 実践的であると同時に、教養的であること。 この両立こそが、成熟した学びの本質だと私たちは考えます。

日本語教育の新たなアプローチ

1986年に創刊されたバイリンガルマガジン『ひらがなタイムズ』は、 日本語と日本文化を世界にわかりやすく伝えることを目的に、これまで100ヵ国以上の読者に親しまれてきました。 それは単なる学習素材ではなく、時代を映し出す「文化的教科書」として、言葉と文化を架け橋のように結んできました。

また、1996年に設立された日本語学校 We Languages は、 大使館関係者をはじめとする国際的な学習者に対し、英語を媒介とした効率的かつ文化的な教授法を実践してきました。

こうした二つの教育実践の蓄積から、従来の日本語教育とは一線を画す、 知的好奇心に応え、かつ実用的な日本語教授法が生まれました。

スーパー日本語コーチの育成

私たち一般社団法人スーパー日本語講師会(Super-J)は、 これらの経験と知見を土台に、日英バイリンガルで日本語教育を実践し、 文化的教養を備えた「本質的な日本語教育者」の育成を目指しています。

生徒にとって役に立ち、心から喜ばれる授業を展開できる―― 実践的でありながら教養的な授業を行える“スーパー日本語コーチ”を育てること。 それが、私たちの使命です。

こうした教育者の育成と輩出を通して、日本語教育界の発展に寄与し、 世界中の人々が「日本という知の文化」に触れ、共に学び合う場を創造し続けます。

ミッション: 日本語教育革命

主な事業内容

日本語をより早く、より深く。

1. Super-J®国際日本語コーチ 養成講座」事業

『JapaNEEDS × JAPANese』で、世界に通じる日本語コーチを育成。

今、世界では「日本語を学びたい」という声が高まっています。しかし従来の文法中心・日本語オンリーの指導法では、多くの学習者が初期段階でつまずいてしまう現実があります。本講座では、学習者の本当のニーズに応える「JapaNEEDS®」と、日本語の背景にある文化や精神性を伝える「JAPANese」という2つのアプローチを融合。英語と日本語の両方を活かしながら、生徒一人ひとりに寄り添う“国際日本語コーチ”を育てます。

2.外国人向け「日本語力検定」事業

J-CLUE (Japanese Culture & Language Understanding Evaluation)
一般社団法人スーパー日本語講師会が開発した、日本語学習者向けの日本語・日本文化理解度を可視化するオンライン診断ツールです。このテストは、いわゆる「対策型」ではなく、健康診断のように、現在の日本語運用力と文化理解の“実態”を測ることを目的としています。すべての設問は、語彙・文法だけでなく、日本の習慣・季節感・色彩感覚・礼儀作法・社会常識などに基づいたテーマ設計となっており、答えを導く過程そのものが、学びのヒントにもなる構造になっています。たとえば、「お辞儀」や「挨拶の種類」など、単なる知識ではなく、その背後にある日本文化の文脈への理解が試されます。また、J-CLUEは、受験者の出身国・母語に配慮した多言語設問対応を特徴としており、言語の壁による不公平を排した、より公正で文化的な学びのきっかけを提供します。

3.外国人社員向け「日本語力研修」事業

― スーパーJの企業向け日本語研修 ―

グローバル人材の活躍が求められる今、現場で本当に使える日本語力と、円滑なコミュニケーション力の育成が企業の競争力を左右します。Super-J(スーパーJ)の企業日本語研修は、従来の「文法中心・教科書型」ではなく、現場の実務・文化・価値観までを視野に入れたコーチング型日本語プログラムです。

4. 日本語教育コンテンツ及びメソッド開発事業

従来の教え手を中心にした「教材(=ティーチング・マテリアル)」ではなく、学習者の立場で開発された「ラーニング・マテリアル」を開発しています。楽しく、短期間にマスターできるように開発された革命的なメソッドの数々が特許庁に実用新案として登録されています。

5. 雑誌執筆事業

月刊誌 ひらがなタイムズの連載記事「日本語道」にて執筆・編集を担当しています。世界100カ国以上に読者をもつ日英バイリンガル・マガジンである同誌をメディアに日本語 & 日本文化を世界に広める活動を行なっています。

概要

団体名一般社団法人スーパー日本語講師会
設立2019年1月
代表理事樽石幸治
事業内容1.外国人向け日本語力検定事業
2.日本語研修/レッスン事業
3.日本語コーチ養成講座事業
4.テキストブック開発/販売事業
所在地〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-5-15-7F
お問合せ・電話:050-5490-2494
・メール:お問合せフォーム