ひらがなタイムズ2026年9月号で教える|12記事の授業ガイド

ひらがなタイムズ2026年9月号の表紙

ひらがなタイムズ2026年9月号は、日本の「家」と、海山の恵みの号です。障子や襖で姿を変える民家、木と水にたとえられる日本人の生き方、「壁に耳あり障子に目あり」のことわざまで、暮らしの中のことばが詰まっています。12記事について、記事ごとにレベル別の活動・導入の一問・キーワード・つまずきやすい点をまとめました。

バックナンバーも、授業の生きた教材として使えます。記事のリンクから全文(一部は購読者向け)を読めます。

01 “Faith” That Carries the Sea’s Bounty Forward | 海の恵みをつなぐ「信」

記事を読む(ひらがなタイムズ)

  • 記事:Cover Story。井上文太氏の表紙「シン・八犬伝 犬飼現八 伊勢海老漁解禁」と、千葉の伊勢海老漁
  • 初級:表紙を見て「大きいです」「赤いです」。海の生き物の名前を覚える
  • 中級:「〜ため、〜が禁じられ、〜に解禁されます」の文で、漁の決まりを説明する。自国の「季節の決まり」も紹介
  • 上級:獲り過ぎを防ぐ綿糸網の話から、「自然を征服するのではなく、共に生きようとする」心について話し合う
  • 導入の一問:「あなたの国では、季節を感じる食べ物は何ですか?」
  • キーワード:恵み/伊勢海老/漁/解禁/網を仕掛ける/獲り過ぎ/信
  • 注意点:「禁止」と「解禁」、「とる」の漢字(取る・獲る・採る)の使い分け

02 The Man Who Chose Harmony in an Age of Blood | 血の時代に、和を選んだ人 | 聖徳太子

記事を読む(ひらがなタイムズ)

  • 記事:IBUKI。神道を捨てずに仏教を取り入れ、「和を以て貴しと為す」を掲げた聖徳太子
  • 初級:「結婚式は神社で、お葬式はお寺で」。日本の行事カード(初詣・クリスマス・除夜の鐘)を並べる
  • 中級:「AをせずにBする」(神道を捨てずに仏教を取り入れる)で、自分の選び方を一文に
  • 上級:「和」は「みんな仲良く」という標語ではない、という記事の問いから、「和」の意味を自分のことばで説明する
  • 導入の一問:「『和』と聞いて、何を思い浮かべますか?」
  • キーワード:和を以て貴しと為す/十七条憲法/神仏習合/取り入れる/融合/排除する/受け入れる
  • 注意点:古い文の読み方(以て・貴し・為す)。意味は一度やさしい日本語に言い換えてから原文に戻る

03 Japanese Minka—Homes Alive with Nature | 自然の中で生きている日本民家

記事を読む(ひらがなタイムズ)

  • 記事:Japan Style。障子や襖で仕切り、食堂にも客間にも寝室にもなる一つの空間
  • 初級:「ちゃぶ台を置けば食堂」「布団を敷けば寝室」。家具の絵と部屋の名前を結ぶ
  • 中級:「〜ば、〜になります」で、一つの部屋の朝から夜までを説明する。自分の家の間取りと比べる
  • 上級:「部屋が人の暮らしを決めるのではなく、人の営みに合わせて、空間の方が変化します」を読み、住まいと考え方の関係を話し合う
  • 導入の一問:「あなたの家で、一番長くいる場所はどこですか?」
  • キーワード:民家/障子/襖/仕切る/ちゃぶ台/座布団/布団を敷く/合掌造り/茅葺き
  • 注意点:「障子」と「襖」の違い(紙・明かり)。写真で見せると一度で伝わる

04 The World’s Oldest Company Is in Japan | 世界最古の会社は日本にある

記事を読む(ひらがなタイムズ)

  • 記事:News Review。578年創業の金剛組と、創業100年以上の企業が約4万9,000社ある日本
  • 初級:大きな数字を声に出して読む(4万9,000社、1,400年以上)
  • 中級:「〜には〜という家訓が代々伝わっています」の型で、自分の家や会社の決まりを紹介する
  • 上級:「本業以外に手を出すな」を読み、続けることと変わることのどちらが大切かを議論する
  • 導入の一問:「あなたの国で、一番古い会社を知っていますか?」
  • キーワード:創業/世界最多/宮大工/社寺建築/受け継ぐ/家訓/本業/手を出す
  • 注意点:「〜社」「〜年」の数え方、「手を出す」の比喩の意味

05 Unrivaled | 無双

記事を読む(ひらがなタイムズ)

  • 記事:New Expressions & Buzzwords。「並ぶものがないほど強い」を表すことば
  • 初級:「強い」「一番」と一緒に。好きなスポーツ選手を「〜は無双です」で紹介
  • 中級:「〜ほど〜」(他を寄せつけないほど強い)で、人やものを強く言う文を作る
  • 上級:名将・韓信をたたえた表現から麻雀の「国士無双」、今のゲームのことばへ。古いことばが新しく使われる例を集める
  • 導入の一問:「あなたが『この人には勝てない』と思う人はいますか?」
  • キーワード:無双/並ぶものがない/寄せつけない/たたえる/由来する
  • 注意点:くだけた場面でよく使う。「無敵」との違いにも触れられる

06 Space performance | スペパ

記事を読む(ひらがなタイムズ)

  • 記事:New Expressions & Buzzwords。「スペースパフォーマンス」の略
  • 初級:「狭いです」「広いです」「便利です」で自分の部屋を説明する
  • 中級:コスパ・タイパ・スペパを並べ、4拍の略語の作り方を体験する。11月号「メンブレ」ともつながる
  • 上級:民家の記事(03)と比べ、「一つの部屋を何通りにも使う」昔の知恵と今のスペパを話し合う
  • 導入の一問:「部屋を広く使うために、工夫していることはありますか?」
  • キーワード:略す/限られた空間/効率よく/収納/間取り/工夫する
  • 注意点:和製英語の略語。英語話者にはそのままでは通じない点を先に伝える

07 The Trembling Earth Is Alive | 揺れる大地は、生きている

記事を読む(ひらがなタイムズ)

  • 記事:Close Up Japan。熊本の地震から、活断層、プレート、「リング・オブ・ファイア」まで
  • 初級:「揺れる」「地震」「火山」を絵で。もしもの時のひとこと「大丈夫ですか?」
  • 中級:「〜とされます」「〜と考えられています」で、事実の伝え方を練習する
  • 上級:「自然は恵みをもたらす一方、時に荒ぶり、試練を与えます」を読み、自然と神々の関係について自国と比べる
  • 導入の一問:「あなたの国に、地震はありますか?」
  • キーワード:震度/活断層/地震計/プレート/ひずみ/荒ぶる/試練
  • 注意点:被災の経験がある学習者もいる。話したくない人には話させない配慮を先に

08 Word Policing or Adaptation? | 言葉狩りか時代適応か。

記事を読む(ひらがなタイムズ)

  • 記事:Pros & Cons。「殺」「刺」「死」を含む野球用語の見直し
  • 初級:野球のことば(アウト・ホームラン)と、日本語の野球用語を結ぶ
  • 中級:「賛成です、〜からです」「反対です、〜からです」で理由を一つずつ言う
  • 上級:「昔話や神話は、その時代を映すメタファー(比喩)だ」を読み、昔話の書き換えに賛成か反対かを議論する
  • 導入の一問:「時代に合わなくなったと思う言葉はありますか?」
  • キーワード:言葉狩り/時代適応/見直す/物騒な/代替/成熟/メタファー
  • 注意点:「刺殺」など野球用語の漢字は、意味を説明してから扱う。先生は意見を出さず、考えを引き出す役に

09 Living Like Wood, Flowing Like Water | 木のように生き、水のように続く

記事を読む(ひらがなタイムズ)

  • 記事:言波。「木の文化」と「石の文化」。「キ」は木であり氣、「イシ」は石であり意思
  • 初級:「木」「石」「水」を使って、身の回りのものを分ける
  • 中級:「AがBなら、CはDです」(木の文化が「気持ち」なら、石の文化は「意思」)の対比の文を作る
  • 上級:二十年ごとに建て替える伊勢神宮の式年遷宮の話から、「本物とは何か」を話し合う
  • 導入の一問:「あなたの国の古い建物は、木ですか?石ですか?」
  • キーワード:木の文化/石の文化/一音一義/氣/気持ち/意思/式年遷宮/循環
  • 注意点:「キ=木=氣」「イシ=石=意思」は、同じ音に意味のつながりを聞く日本語道の見方。辞書の語源とは別の、ロマンのある入口として楽しませる

10 Words the Home Holds | 家がつつむ言の葉

記事を読む(ひらがなタイムズ)

  • 記事:言の葉。「家」にまつわる言葉から、日本人が一つ屋根の下でどう暮らしてきたかをたどる
  • 初級:家の中のものの名前(玄関・台所・屋根・窓)を絵カードで
  • 中級:「家」「屋」「宅」が入る言葉を集めて、意味ごとに分ける
  • 上級:「一つ屋根の下」ということばから、家族や同居のかたちを自国と比べて話す
  • 導入の一問:「『家』という字が入ることばを、いくつ言えますか?」
  • キーワード:言の葉/一つ屋根の下/営み/受け継ぐ/〜にまつわる
  • 注意点:「家(いえ・うち・か・け)」の読み分け。よく使う言葉から少しずつ

11 The House Has Ears, Eyes—and a Mouth | 耳と目と口を持つ家

記事を読む(ひらがなタイムズ)

  • 記事:言技「壁に耳あり障子に目あり」。江戸時代後期の「徳利に口あり」というユーモラスな続け方も
  • 初級:ミサキとケンタの会話を役読み。「声を落として」を身ぶりで
  • 中級:英語の “Walls have ears.”、スペイン語の “Las paredes oyen.” と比べ、日本語に「障子に目あり」が加わった理由を考える
  • 上級:「徳利に口あり」を入口に、「口が軽い」「口が堅い」など「口」のことばを集め、秘密と人の口について話し合う
  • 導入の一問:「秘密の話をするとき、どこで話しますか?」
  • キーワード:壁に耳あり/障子に目あり/徳利に口あり/戒め/声を落とす/口が軽い
  • 注意点:「障子」を知らない学習者が多い。まず写真で、声は通り影は映ることを見せる

12 The Fish That Leads the Way into Autumn | 秋の先頭を泳ぐ魚

記事を読む(ひらがなタイムズ)

  • 記事:Japan Savvy。秋刀魚と、古典落語「目黒のさんま」
  • 初級:秋の食べ物(新米・栗・きのこ・柿・秋刀魚)の絵カードで「〜が好きです」
  • 中級:落語のあらすじを、「〜と言い出します」「〜と止めますが」を使って順番に語る
  • 上級:「秋刀魚は目黒に限る」のおかしさを説明し、自国の笑い話や「〜に限る」の使い方を話す
  • 導入の一問:「秋になると食べたくなるものは何ですか?」
  • キーワード:実り/塩焼き/新米/庶民/下魚/殿様/家来/〜に限る
  • 注意点:「秋刀魚」の読み(さんま)。「〜に限る」は「それが一番だ」という意味

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