ひらがなタイムズ2026年7月号で教える|9記事の授業ガイド

ひらがなタイムズ2026年7月号は、「食」と夏の号です。泣いたら勝ちの「泣き相撲」、暑さの名前「酷暑日」、ハートの音の「トゥンクトゥンク」、「腹八分目に医者いらず」、夏の始まりを告げる「冷やし中華はじめました」まで、身近なことばから入れる記事がそろっています。オンラインで読める9記事について、記事ごとにレベル別の活動・導入の一問・キーワード・つまずきやすい点をまとめました。
バックナンバーも、授業の生きた教材として使えます。記事のリンクから全文(一部は購読者向け)を読めます。
01 Japan Is Full of Treasures | 日本には寶がいっぱいあ〜る
- 記事:Cover Story。井上文太氏の「令和の浮世絵シリーズ」。ピンクの髪、チューリップの着物、見上げる三毛猫
- 初級:表紙を見て「〜色です」「〜がいます」。着物の花の名前(チューリップ・マーガレット・ラベンダー)を言う
- 中級:「〜一方で、〜」(気品がある一方で、髪は鮮やかなピンク)の対比の文で、絵を説明する
- 上級:「浮世絵は、現代でいえば雑誌やSNSのような存在」を読み、今の流行はどこから広がるかを話し合う
- 導入の一問:「この絵の中で、新しいと思うところはどこですか?」
- キーワード:浮世絵/令和/気品/鮮やか/流行/美意識/寶(宝)
- 注意点:「寶」は「宝」の旧字体、「あ〜る」は語りかけるような遊びの表記。教科書の表記と違う面白さとして紹介する
02 Crying means winning!? Babies’ “Naki Sumo” | 泣いたら勝ち!?赤ちゃんの「泣き相撲」
- 記事:News Review。赤ちゃんの健康と成長を祈る、400年以上続く神社の行事
- 初級:「泣きます」「勝ちます」「負けます」を絵で。「泣いたら勝ち」の意外さを楽しむ
- 中級:「〜とされています」(邪気を払い、福をもたらすとされています)で、言い伝えを紹介する文を作る
- 上級:「泣く子は育つ」ということわざから、自国の子どもの成長を祈る行事と比べて話す
- 導入の一問:「赤ちゃんが泣くのは、いいことですか?」
- キーワード:泣き相撲/健康/成長/祈る/力士/土俵/邪気を払う/福
- 注意点:ふりがな付きの記事なので初級から使える。「〜たら」の条件の文(泣いたら勝ち)の入口にも
03 Brutal heat day | 酷暑日
- 記事:New Expressions & Buzzwords。夏日・真夏日・猛暑日、そして40度近い暑さの「酷暑日」
- 初級:「暑いです」「とても暑いです」と気温の言い方(25度・30度・35度)
- 中級:暑い日の名前を気温の順に並べ、「〜度以上は〜と呼ばれます」で説明する
- 上級:暑さに名前をつける日本語の感覚を、自国の天気のことばと比べて話す
- 導入の一問:「あなたの町では、夏は何度くらいになりますか?」
- キーワード:夏日/真夏日/猛暑日/酷暑日/気温/観測する
- 注意点:「暑い」(気温)と「熱い」(もの)の漢字の違い
04 Onomatopoeia for a heartbeat / fluttering heart | トゥンクトゥンク
- 記事:New Expressions & Buzzwords。横浜の国際園芸博覧会の公式マスコット。心臓の鼓動や、心がときめく音を思わせる名前
- 初級:心臓の音のオノマトペ(ドキドキ・トゥンクトゥンク)を声に出してまねる
- 中級:「〜を思わせる」で、音やものの印象を説明する。「ミャクミャク」に続く名前の付け方を話す
- 上級:オノマトペが名前になる日本語らしさを、自国のキャラクターの名前と比べる
- 導入の一問:「どんなとき、心臓がドキドキしますか?」
- キーワード:オノマトペ/鼓動/ときめく/響き/博覧会/公式マスコット
- 注意点:「ドキドキ」(緊張・期待)と「トゥンク」(ときめき)の気持ちの違い
05 Where Did the Japanese Come From? | 日本人はどこから来たのか ― DNAが語り始めた新しい物語
- 記事:Close Up Japan。DNAの研究から見えてきた、人々の移動と出会いの物語。縄文人とDグループ、稲作を携えて渡った人々
- 初級:地図で「日本」「中国」「チベット」「アンダマン諸島」を指し、「〜から〜へ」で移動を言う
- 中級:「〜ことを物語ります」「〜と考えられます」で、研究から分かったことを伝える文を作る
- 上級:「人々の歩みは、もっと複雑で壮大だった」を読み、学校で習った歴史と新しい研究の違いについて話し合う
- 導入の一問:「あなたの国の人々は、昔どこから来たと言われていますか?」
- キーワード:遺伝子/DNA/移動/混ざり合う/系統/縄文人/弥生人/稲作
- 注意点:出自の話は、人によって大切にしている見方が違う。比べて優劣を言わず、「出会い」の物語として扱う
06 The daughter who consulted an AI; the adults who stopped thinking | AIに相談した娘、考えることを止めた大人たち
- 記事:Pros & Cons。実際の事件をめぐる「辞任は妥当」「辞任は行き過ぎ」と、AIと人間の考える力についての洞察
- 初級:(上級クラス向けの記事。初級では扱わず、中級以上で)
- 中級:「妥当」「行き過ぎ」の意味を確かめ、賛成意見・反対意見の一文ずつを読む
- 上級:「出来事の善悪ではなく、処理のされ方」という視点を読み、AIに相談することと人が考えることについて話し合う
- 導入の一問:「困ったとき、最初に誰に(何に)相談しますか?」
- キーワード:相談する/辞任/妥当/行き過ぎ/洞察/無機質/シンギュラリティー
- 注意点:家族の間の出来事を扱う実際の事件。事件の詳細には深入りせず、「AIと考えること」に話題をしぼる。先生は意見を出さず両論を読む
07 Words Nourished by Food | 食に育まれた言の葉
- 記事:言の葉。「食」にまつわる言葉から、日本人の暮らしに育まれてきた感性をたどる
- 初級:食事のあいさつ「いただきます」「ごちそうさま」を、場面と一緒に
- 中級:「食」が入る言葉(食事・食欲・食卓・朝食)を集めて、意味ごとに分ける
- 上級:「いただきます」に込められた感謝の気持ちを、自国の食事のあいさつと比べて話す
- 導入の一問:「あなたの国では、食事の前に何か言いますか?」
- キーワード:言の葉/食/育む/感性/いただきます/ごちそうさま
- 注意点:「食」の読み(しょく・た〜べる・く〜う)。よく使う言葉から少しずつ
08 Food, and the Shape of a Life | 食が映す、生き方のかたち
- 記事:言技「腹八分目に医者いらず」。食べ過ぎず、すべてを満たしきらない余白の美しさ
- 初級:「おなかがいっぱいです」「もう少し食べたいです」。食べる量の言い方
- 中級:「〜過ぎず、〜」(食べ過ぎず、腹八分目でやめる)で、ちょうどいい習慣を一文に
- 上級:「言い切らない」日本語の感覚と「腹八分目」の美学のつながりを読み、会話の中の余白について話し合う
- 導入の一問:「おなかがどのくらいになったら、食べるのをやめますか?」
- キーワード:腹八分目/医者いらず/ほどほど/余白/足るを知る/言い切らない
- 注意点:「八分目」の「分」は割合(十分の八)。数の感覚を図で見せると伝わりやすい
09 Hiyashi Chuka — Now Serving | 冷やし中華はじめました。
- 記事:Japan Savvy。中華料理店の看板を見ると「今年も夏が来た」と感じる、日本生まれの夏の一皿
- 初級:冷やし中華の絵で、具(卵・きゅうり・ハム)の名前を言う。「〜をのせます」
- 中級:「〜はじめました」の看板の文を自分で作る(「かき氷、はじめました」など)
- 上級:「中華」とあっても中国料理そのものではない、日本で独自に発展した料理の例(ラーメン・カレーなど)を集めて話す
- 導入の一問:「あなたの国で、夏が来たと感じる食べ物は何ですか?」
- キーワード:冷やす/看板/国民食/しめる/独自/発展する
- 注意点:「はじめました」は「始める」の丁寧な過去形。お店の看板ならではの言い方として紹介する

