ひらがなタイムズ2025年10月号で教える|10記事の授業ガイド

ひらがなタイムズ2025年10月号は、大阪万博と「発酵」、秋の号です。太陽の塔とコスモス、大屋根リング、「エモい」「ギリハッピー」の新語、映画『国宝』、神無月、台風一過、4コマ漫画「誕生日の贈り物」まで、秋の授業に使える話がそろっています。オンラインで読める10記事について、記事ごとにレベル別の活動・導入の一問・キーワード・つまずきやすい点をまとめました。
バックナンバーも、授業の生きた教材として使えます。記事のリンクから全文(一部は購読者向け)を読めます。
01 The Autumn Light Rises Again — Memories of Osaka Expo and Cosmos Flowers | 秋の光、再び空へ――大阪万博とコスモスの記憶
- 記事:Cover Story。1970年の大阪万博の「太陽の塔」と、万博記念公園に咲く14万本のコスモス
- 初級:表紙を見て「塔」「花」「ピンク」「白」。大阪の名所の名前を言う
- 中級:「〜をテーマに制作」「〜として建てられた」で、建物の紹介文を作る
- 上級:「太古・現代・未来の三つの顔」を読み、自分の町を三つの時代で紹介する
- 導入の一問:「万博に行ったことがありますか?行ってみたいですか?」
- キーワード:万国博覧会/太陽の塔/象徴/斬新/見ごろ/咲き誇る/いぶき
- 注意点:1970年と2025年、二つの大阪万博の話が出てくる。年表で区別して見せる
02 How should it be used for the future? The Expo Symbol “Grand Ring” | 未来へどう活かす? 万博のシンボル「大屋根リング」
- 記事:News Review。一周約2キロ、「世界最大の木造建築物」としてギネス世界記録に認定された大屋根リングの行方
- 初級:「大きいです」「木でできています」。数字(約2キロ)の読み方
- 中級:「〜を目指して、〜が進められています」で、計画を説明する文を作る
- 上級:「一部を残す」と「全部を残す」のどちらがいいか、理由をつけて話し合う
- 導入の一問:「イベントのあと、建物はどうしたらいいと思いますか?」
- キーワード:再利用/シンボル/木造建築物/認定する/検討する/行方
- 注意点:「活かす」と「生かす」の表記。記事の題名の「活かす」を例に紹介できる
03 Emotional | エモい
- 記事:New Expressions & Buzzwords。強く感情を揺さぶられ、言葉にしづらい気持ちになったときのことば
- 初級:「きれいです」「なつかしいです」と、写真を見て気持ちを言う
- 中級:「今日の夕焼け、エモい」のように、自分の「エモい」ものを一文で紹介する
- 上級:英語の emotional が日本語で形容詞になった流れを考え、外来語にい-adjectiveの「い」がつく例を集める
- 導入の一問:「最近、心にグッときたことは何ですか?」
- キーワード:エモい/感情を揺さぶる/感動/懐かしさ/切なさ/グッとくる
- 注意点:くだけた言い方。「エモい」はい形容詞のように活用する(エモかった)
04 Barely Happy | ギリハッピー
- 記事:New Expressions & Buzzwords。「ギリギリ」と「ハッピー」を組み合わせた、かろうじて幸せを感じられる状態
- 初級:「ギリギリ間に合いました」など「ギリギリ」の使い方
- 中級:「あまり良くない状況でも、〜」で、前向きに考える文を作る
- 上級:「落ち込まず前向きな気持ちで乗り切ろうとする」若者の気持ちについて、自国の若者のことばと比べる
- 導入の一問:「最近、ちょっとだけハッピーだったことは何ですか?」
- キーワード:ギリギリ/かろうじて/前向き/乗り切る/ニュアンス
- 注意点:くだけた言い方。「ギリ」は「ギリギリ」の略として、ほかの例(ギリセーフ)も紹介できる
05 The Much-Talked-About Film Kokuho —— The World of Kabuki Where Art and Blood Intersect | 話題の映画『国宝』 —— 芸と血が交差する歌舞伎の世界
- 記事:Close Up Japan。興行収入100億円を突破した映画『国宝』と、世襲制の歌舞伎、男性が女性を演じる「女形」
- 初級:「映画を見ます」「〜時間です」。好きな映画を紹介する
- 中級:「〜ながら、〜」(3時間という長尺ながら、時間を忘れる面白さ)の文を作る
- 上級:「名門に生まれることは特権であり重い宿命でもあります」を読み、生まれと才能について話し合う
- 導入の一問:「歌舞伎を見たことがありますか?」
- キーワード:一代記/興行収入/鍛錬/世襲制/伝統芸能/宿命/女形
- 注意点:生まれによる差の話は、学習者自身の経験に触れることもある。一般論として話す
06 80 Years Postwar: Should We Speak of ‘Reflection’? | 戦後80年、「反省」を語るべきか?
- 記事:Pros & Cons。戦後80年の総理談話をめぐる賛成・反対と、先人への「感謝」という洞察
- 初級:(上級クラス向けの記事。初級では扱わず、中級以上で)
- 中級:賛成意見・反対意見の一文ずつを読み、「反省」「お詫び」「談話」のことばの意味を確かめる
- 上級:「その二元論を問う前に」という記事の視点を読み、ことばで示すことと行動で示すことの違いについて話し合う
- 導入の一問:「あやまるとき、ことばと行動のどちらが大切だと思いますか?」
- キーワード:戦後/反省/お詫び/談話/二元論/再生/復讐
- 注意点:戦争と国と国の関係にかかわる、意見が強く分かれるテーマ。学習者の国によってはとても身近でつらい話題になる。先生は意見を出さず、記事の両論を正確に読むことに集中する
07 Japan’s Food Culture Living with Microorganisms —Flavors and Traditions Nurtured by Fermentation | 菌と生きる日本の食文化 ― 発酵が育む味と伝統
- 記事:Japan Savvy。味噌・醤油・納豆、そして寿司も発酵から。湿度の高い日本の風土が育てた発酵文化。記事に言葉と質問も付いている
- 初級:発酵食品の名前(味噌・醤油・納豆)と「〜が好きです/苦手です」
- 中級:「〜ために、〜」(長期保存するために、〜工夫がされてきました)で、理由を説明する
- 上級:「菌と対話しながら」という見方を読み、自国の発酵食品と保存の知恵を紹介する
- 導入の一問:「あなたの国には、どんな発酵食品がありますか?」
- キーワード:発酵/菌/保存/塩漬け/湿度/風土/土壌
- 注意点:特集「寿司の真実」とつながる記事。寿司が発酵から始まったという話は、学習者の驚きを引き出す入口になる
08 Birthday Present | 誕生日の贈り物
- 記事:Japan Maze(迷宮ニホン)。「首飾り」「ブドウ酒」と言う留学生と、いちいち英語で確かめる日本人の4コマ漫画
- 初級:漫画の会話を役読み。プレゼントを渡すときのひとこと
- 中級:古い言い方と今の言い方(首飾り→ネックレス、食堂→レストラン)を組にする
- 上級:教科書の日本語と、ふだんの日本語のずれについて、自分の経験を話す
- 導入の一問:「教科書で習ったことばが、通じなかったことはありますか?」
- キーワード:贈り物/手渡す/喫茶店/首飾り/乾杯/確認する
- 注意点:古いことばが間違いではないことも伝える。場面によって選ぶ大切さにつなげる
09 Seasonal Word Leaves: “Kanna-zuki / Kamiarizuki” | 季節の言の葉:日本の10月「神無月/神在月」
- 記事:言の葉。神々が出雲へ旅立つ「神無月」、出雲では神々が集う「神在月」。金木犀の香り、秋刀魚や栗
- 初級:秋のことば(栗・秋刀魚・金木犀)を絵カードで
- 中級:「〜とされ、〜と呼ばれます」で、名前の由来を説明する
- 上級:同じ月が場所によって「神無月」にも「神在月」にもなる面白さを、言い伝えとして語り直す
- 導入の一問:「神様が旅をするという話を、聞いたことがありますか?」
- キーワード:神無月/神在月/出雲/旅立つ/集う/金木犀/移ろい
- 注意点:11月「霜月」・12月「師走」とあわせて、月の古い名前の一覧に加える
10 Seasonal Voice-Word Art: Taifū Ikka — the clearing after a typhoon | 季節の言技:台風一過
- 記事:言技。台風のあとの晴れわたる空と、騒動が収まって心が晴れやかになる様子
- 初級:天気のことば(台風・雨・風・晴れ)と、「〜のあと、晴れました」
- 中級:サラとマイケルの会話を役読みし、天気の意味と比喩の意味を比べる
- 上級:自分の生活で「台風一過」と言えた経験を話し、自国の似た言い方と比べる
- 導入の一問:「台風のあと、空はどうなりますか?」
- キーワード:台風/一過/晴れ渡る/一掃する/収束する/比喩
- 注意点:台風の被害を経験した学習者もいる。天気の話から入り、配慮して進める


