ひらがなタイムズ2025年9月号で教える|10記事の授業ガイド

ひらがなタイムズ2025年9月号は、秋の京都と「月」の号です。京都タワーと彼岸花、田んぼアート、「ビジュいいじゃん」「入れ違いグッジョブ」の新語、地震大国・日本、きのこ、長月、「秋の日はつるべ落とし」、4コマ漫画「日本を買いたい」まで、秋の授業に使える話がそろっています。オンラインで読める10記事について、記事ごとにレベル別の活動・導入の一問・キーワード・つまずきやすい点をまとめました。
バックナンバーも、授業の生きた教材として使えます。記事のリンクから全文(一部は購読者向け)を読めます。
01 The Breath of Autumn Illuminates Kyoto — A Tower of Light and the Memory of Red Spider Lilies | 秋のいぶき、京都に灯る——塔の光と彼岸花の記憶
- 記事:Cover Story。蝋燭のような京都タワーと、秋の京都の名所、お彼岸のころに咲く彼岸花
- 初級:表紙を見て「タワー」「お寺」「赤い花」。京都の名所の名前を言う
- 中級:「〜という発想から生まれました」で、建物ができた理由を説明する
- 上級:「時間の層が折り重なり、記憶と祈りがそっと行き交います」を読み、古いものと新しいものが並ぶ町について話し合う
- 導入の一問:「あなたの町の『玄関口』はどこですか?」
- キーワード:玄関口/蝋燭/灯り/象徴/彼岸花/お彼岸/偲ぶ
- 注意点:彼岸花はお彼岸と結びつき、亡くなった人を偲ぶ心にもつながる。花の話から静かに入る
02 Rice Fields as Canvas!? Spectacular “Tanbo Art” | 田んぼがキャンバス!?迫力満点の「田んぼアート」
- 記事:News Review。色のちがう稲で田んぼに絵や文字を描く。埼玉県行田市はギネス世界記録に
- 初級:「田んぼ」「稲」「絵」。写真を見て「〜が描かれています」
- 中級:「〜にかけて、〜を迎えます」(夏から秋にかけて、見頃を迎えます)で、季節の様子を説明する
- 上級:11月号の新潟のわらアートとつなげ、米の国ならではのアートについて話し合う
- 導入の一問:「田んぼを見たことがありますか?」
- キーワード:田んぼ/稲/キャンバス/見頃/広大/浮かび上がる/主食
- 注意点:「田んぼアート」と「わらアート」(2025年11月号)は、田植えから稲刈りまでの流れで並べると分かりやすい
03 Looking good | ビジュいいじゃん
- 記事:New Expressions & Buzzwords。「ビジュ」は「ビジュアル」の略。容姿や見た目をほめることば
- 初級:「かっこいいです」「かわいいです」で、人の服や髪型をほめる
- 中級:「今日ビジュいいじゃん」のように、くだけたほめ言葉と、ていねいなほめ言葉を比べる
- 上級:見た目をほめることについて、自国の感覚と比べて話し合う
- 導入の一問:「友だちをほめるとき、どんなことばを使いますか?」
- キーワード:ビジュ/略す/容姿/見た目/褒める/気軽な
- 注意点:見た目の話は人によって受け止め方が違う。相手が喜ぶほめ方を考えさせる
04 Crossed good job pose | 入れ違いグッジョブ
- 記事:New Expressions & Buzzwords。両手のグッドサインを胸の前でクロスさせる、写真撮影の定番ポーズ
- 初級:ポーズを実際にやってみて、「両手」「胸」「クロス」を体で覚える
- 中級:「〜て、〜させる」の文で、ポーズの作り方を説明する
- 上級:写真のポーズの流行を、自国のSNSの文化と比べて話す
- 導入の一問:「写真を撮るとき、どんなポーズをしますか?」
- キーワード:両手/交差させる/推し/ツーショット/定番/広まりつつある
- 注意点:体を動かして覚えると楽しいことば。初級の授業の始まりに使いやすい
05 Japan, the Earthquake Nation — Shaken Hearts, Uncertain Tomorrows | 地震大国、日本――揺れる心と未来
- 記事:Close Up Japan。トカラ列島で相次ぐ地震、南海トラフ地震の予測、プレートテクトニクスとプルームテクトニクス
- 初級:「地震」「島」「備える」のことばと、避難のときのひとこと
- 中級:「〜とされています」「〜という説もあります」で、確かなことと説を分けて伝える
- 上級:記事の結び「備蓄」や「避難場所の確認」から、自分の生活での備えについて話し合う
- 導入の一問:「地震のとき、どうしたらいいか知っていますか?」
- キーワード:地震大国/相次ぐ/予測/確率/噴火/備蓄/避難場所
- 注意点:被災経験のある学習者への配慮を先に。噂や予言の話には深入りせず、備えの話につなげる
06 The Growing Acceptance of Foreign Immigrants — How Should Japan Face Its Future? | 広がる外国人移民受け入れ――日本の未来とどう向き合うか
- 記事:Pros & Cons。「労働力不足を補うには不可欠」「文化の違いによるトラブル」と、日本語・日本文化の教育が必要という洞察
- 初級:(上級クラス向けの記事。初級では扱わず、中級以上で)
- 中級:賛成意見・反対意見の一文ずつを読み、「補う」「摩擦」「共生」のことばの意味を確かめる
- 上級:日本という「仲人」の引き合わせで共に生きている、という見方を読み、ことばと文化を学ぶ意味について話し合う
- 導入の一問:「新しい国で暮らすとき、何がいちばん大切だと思いますか?」
- キーワード:在留外国人/摩擦/労働力不足/共生/孤立/義務化/仲人
- 注意点:学習者自身が当事者になるテーマ。先生は意見を出さず、記事の両論を正確に読むことと、ことばの意味に集中する。一人ひとりの経験を尊重する
07 Kinoko and the Japanese People — A Relationship Nurtured by the Forest | きのこと日本人――森に育まれた関係
- 記事:Japan Savvy。「木の子ども」が語源といわれるきのこと、森のインターネットと呼ばれる菌糸。記事に言葉と質問も付いている
- 初級:きのこの名前(松茸・椎茸・舞茸)と「〜が好きです」
- 中級:「〜が語源で、〜から名付けられた」の形で、ことばの由来を説明する
- 上級:「森のインターネット」という見方を読み、自然の中のつながりについて話し合う
- 導入の一問:「秋になると、何が食べたくなりますか?」(記事の質問から)
- キーワード:秋の味覚/語源/菌糸/根/つなぐ/果実のような存在
- 注意点:2025年10月号の「発酵」の記事とつなげると、「菌と生きる日本」という流れになる
08 I want to buy Japan. | 日本を買いたい。
- 記事:Japan Maze(迷宮ニホン)。本を「2本(ニホン)」と数えてしまう4コマ漫画。数え方の「冊」と「本」
- 初級:数え方(〜冊・〜本・〜枚)を、ものを使って練習する
- 中級:同じ音で意味が違うことば(にほん=2本/日本)を集めて、文を作る
- 上級:数え方のまちがいが生む笑いを説明し、自国のことばの数え方と比べる
- 導入の一問:「本を2つ買うとき、日本語で何と言いますか?」
- キーワード:冊/本/数える/例を挙げる/おかしい
- 注意点:数え方(助数詞)は学習者がよくまちがえるところ。漫画の笑いが、そのまま覚えやすいきっかけになる
09 Seasonal Word Leaves: Japan’s September, “Nagatsuki” | 季節の言の葉:日本の9月「長月」
- 記事:言の葉。夜が長くなる「夜長月」からの説。中秋の名月、ススキと団子のお月見
- 初級:お月見のことば(月・団子・ススキ)を絵カードで
- 中級:「〜から転じた説が伝わります」で、名前の由来を説明する
- 上級:月を愛でる日本の習慣を、自国の月にまつわる行事と比べて話す
- 導入の一問:「あなたの国では、月にどんな話がありますか?」
- キーワード:長月/夜長/中秋の名月/お月見/ススキ/団子/豊穣
- 注意点:10月「神無月」から1月「睦月」までとあわせて、月の古い名前の一覧に加える
10 Seasonal Voice-Word Art: An autumn day drops like a well bucket | 季節の言技:秋の日はつるべ落とし
- 記事:言技。井戸のつるべが速く落ちるように、秋はあっという間に日が暮れる
- 初級:「明るい」「暗い」「早い」と、時間の言い方(4時・5時)
- 中級:美咲と健二、サラとマイケルの会話を役読みし、日暮れの意味と比喩の意味を比べる
- 上級:「つるべ」を知らない世代にも残ることばの面白さを考え、自国の古い道具が残ることわざを紹介する
- 導入の一問:「あなたの国では、秋は何時ごろ暗くなりますか?」
- キーワード:秋の日/つるべ/井戸/日が暮れる/あっという間/比喩
- 注意点:「つるべ」は今ではほとんど見ない道具。絵や写真を見せてから、ことばの意味に入る

