ひらがなタイムズで教える|AIをテーマにディベート

AIをテーマにディベート

「電卓は、計算する力を奪う。ワープロは、漢字を書けなくする。」

ひらがなタイムズ11月号の「Pros and Cons」は、身近な道具の話からAIを考える記事です。賛成と反対が一文ずつ並ぶので、そのままディベートの教材になります。

記事の音声:ひらがなタイムズの朗読音声です。授業の聞き取りやシャドーイングにも使えます。

この記事で教えられること

  • 立場の言い方:賛成です/反対です
  • 理由のつけ方:〜からです、〜ので
  • 意見の強さ:〜と思います/〜と考えます/〜べきだ
  • 語彙:脅威、人類、奪う、混乱、生かす、人間性、偏差値
  • 文化:かつての「修身」の授業と、「よい人間を目指すこと」

導入の発問

  • 毎日、AIを使っていますか。どんな時に使いますか。
    (Do you use AI every day? When do you use it?)
  • 電卓やスマホのせいで、できなくなったことはありますか。
    (Is there anything you can no longer do because of calculators or phones?)
  • AIは人類の脅威だと思いますか。
    (Do you think AI is a threat to humanity?)

レベル別の使い方

初級

「賛成です」「反対です」の二つだけを使います。

「AIは便利ですか」「AIはこわいですか」など、やさしい問いを出し、学習者は札を上げて「賛成です」「反対です」と答えます。

慣れてきたら「〜からです」を一つ足し、「反対です。便利だからです」と理由を言ってもらいます。

中級

記事の賛成・反対の二文を読み、それぞれの理由をもう一つずつ考えてもらいます。

二人一組で、片方が賛成、もう片方が反対を担当し、1分ずつ話します。終わったら立場を入れ替えます。

「〜と思います」と「〜と考えます」を使い分け、話し言葉とあらたまった言い方のちがいに気づいてもらえます。

上級

「洞察」の部分を読み、書き手の主張を一文でまとめてもらいます。

その主張に対して、賛成・反対の両方から意見文を書きます。「確かに〜。しかし〜」の形を使うと、相手の意見を受けとめてから反論する練習になります。

最後にグループで、AIの時代に大切なものを一つ選び、理由とともに発表してもらいます。

日本語道の視点

記事の「洞察」は、AIと共存する時代にますます大切になるのは「人間性」だと結んでいます。正直であること、努力すること、感謝すること、人を思いやること、恩を忘れないこと。かつて日本の学校には、立派な人間を目指す「修身」という授業があったことにも触れています。賛成か反対かを競うだけでなく、その先にある「どんな人間でありたいか」まで話が届くと、ディベートは言葉の練習を超えた時間になります。学習者の国では、子どもに何を大切だと伝えているのか、比べてみるのも面白いところです。

つまずきやすいところ

  • 賛成・反対が何に対してか:記事の「賛成」は「AIは脅威か?」という問いへの賛成です。「AIに賛成」と取りちがえる学習者が多いので、最初に問いを板書して確認すると混乱しません。
  • 理由のない意見:「反対です」で止まりがちです。「〜からです」をセットで言うルールにすると、自然に理由が出てきます。
  • 「〜べきだ」の強さ:強い言い方なので、会話では「〜したほうがいいと思います」に言いかえられることも紹介すると、使い分けがしやすくなります。

授業で使える英語のひとこと

  • “Pick a side, then give one reason.”(どちらかを選んで、理由を一つ言ってください)
  • “Now switch sides.”(では、立場を入れ替えます)
  • “Agree first, then say ‘but.’”(まず受けとめて、それから「しかし」と続けます)

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