一般社団法人 スーパー日本語講師会
理事長 長谷川勝行(Hiragana Times編集長)

英語を学習していた青年時代、私は英語を使える職業につくことが夢でした。できれば、通訳・ガイドになれればと思い、当時は弁護士、公認会計士と並んで三大難関国家試験といわれた通訳・ガイド試験の勉強をしていました。試験範囲は、政治、経済、歴史、地理、社会、文化、一般常識を含むものでした。しかし、英語はともかく、他の分野の問題は日本人でもあまり知らないような問題が多く、まるで大学入試のように感じました。

その夢を抱きながら、私は外資系の旅行会社に入社し、外国人に東京や箱根、鎌倉、日光、京都、奈良などのツアーを販売するスタッフとなりました。彼らから受ける質問は、現地のアトラクションや食べ物などが多く、およそ試験の学習とはかけはなれたものでした。

試験は、実際に外国人が求めている知識ではなく学術的な出題が多いことに疑問をもち、受験への熱は冷めていきました。外国旅行が大衆化して、ガイドはかつて女性の憧れであったCA (当時はスチュワーデスと呼んでいた) と同様に憧れの職業ではなくなり、試験自体の権威は相対的に落ちていったといえるでしょう。

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